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大あさりについて
龍宮之宿における「大あさり」の誕生について
- 今の時代、大きな声で言うと“炎上”が怖いので、
今は亡きオーナーが語ってくれた ここだけのお話・・・。
------ここからは、オーナーが亡くなる前に聞いた話となります。------
先日、あるお客様から『大あさり焼きの元祖』についての質問を頂いたので、
オーナーに確認しました。その事を書かせていただきます。
- 当館がオープンした当時、それは昭和45年頃のお話になります。
その頃は、まだ現在の場所にお店は移動しておらず、
現在のたかのやさんの並びにお店がありました。
当時は、名古屋の調理師協会から調理師さんを派遣してもらっており、
その時当館に派遣されてきた方の一人が、
『なにか伊良湖の名物になるようなものはないかな?』とオーナーに話があったそうです。
そんな時、日間賀島に住んでいるオーナーの親戚が、
島で『大あさり』がたくさん獲れるからそれを使ってみてはどうかと提案があったそうです。
『大あさり』と呼ぶと、『違う!』という人がいるかもしれない。
だから本当の名前は『ウチムラサキ』だということは知っておく必要がある。
だけども島では『大あさり』と呼んでいるから、
一度それで売ってみたらどうか?と言われたそうです。
私との話の途中で、
オーナーが中学生くらいの頃、日間賀島に遊びに行った際、
海で肩くらいまで海水に腕を突っ込んで砂を掘ると、
『大あさり』がゴロゴロと出てきたことを思い出したと言っていました。
当時はそれくらい捨てるほどとれたのですね。
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『大あさり』の味付けについて板前さんと話し合っていたところ、
しょうゆと酒で焼くと美味しいので、
あまり手を加えずそれで出してみようという話になったそうです。
当時、一皿2個で500円(1個250円)で販売を始めたそうです。
今考えると安いような気がしますが、
当時としてはなかなか高価な設定だったようです。
それには理由があり、
名物にするのにあまりに安くては価値がなくなってしまうからと
少々高めに設定することに決めたのだそうです。
高価ではありましたが、それでも人気があったそうです。
販売した当時、大あさりは浜(少し海水のつくところ)でゴロゴロと獲れ、
砂をたくさん噛んでいるので下処理に手間がかかり、
捨てられるような存在だったのだそうで、
そんな『大あさり』を販売することに対していろいろとあまりよくない声もあったそうです。
でも、そんなことは気にせず、龍宮之宿の名物として売っていけばよいのだ!
とめげずに販売をしていたそうです。
それから3年ほどして近くのお店でも取り扱う店舗が増えていき、
10年ほどして名物と言われるようになっていったそうです。
- 当時、『大あさり』の入手方法として、
日間賀の釣り船屋さんに大あさりを運んでもらったと聞きました。
その頃は宿泊者を、釣り船屋さんに船釣りに連れて行ってもらっていたそうで、
そのついでに大あさりを運んでもらっていたとのことでした。
当時はゴロゴロと獲れて、見向きもされなかった『大あさり』ですが、今
では、獲れる量も少なくなり、大変高価なものになっています。
味付けについて、ネギを加えてはどうか?などこちらもお声を頂くこともありますが、
当館では、当初からの『しょうゆと酒』でシンプルに味付けすることを
今も変えることなくご提供させていただいております。
伊良湖の名物と言えば『大あさり』ということが
今ではだいぶ知られるようになってきました。
こんな誕生秘話があったことを残しておきたいとの思いで書きました。
大あさりを食べる時、ほんの少しでも思い出していただけたら嬉しく思います。
文章が苦手なもので、わかりにくい部分も多々あったかと思いますが、
最後までお読みいただきありがとうございました。 2023年
- 手書きで作成していたころのメニュー手書きで作成していたころのメニュー
- 当時のメニュー大あさり 500円だったころのメニュー
- 【数年前】 伊良湖港に着いた克勢丸元気だったころは、克勢丸に乗って魚釣りに出かけていたオーナー
- 【現在】 飾ってあるオーナーの船ペンキを塗りなおしてもらい、海側駐車場に飾ってあります。